石油精製で利用される流動接触分解(FCC)装置に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 石油の重質留分を触媒により分解し、高オクタン価のガソリン基材とする方法である。
- 反応に用いられる触媒は一般に小球状(beads)か粉末で、活性成分として白金が担持されている触媒が使われている。
- 原料油として代表的なものは、脱硫減圧軽油や脱硫残油である。
- 分解ガソリンのオクタン価分布は比較的均一であるが、特に軽質部のオクタン価が高いことが特徴である。
- 接触分解装置で必要な熱は触媒を再生する際に得られるため、大型の加熱炉は不要である。
解答解説
正答は2番です。
FCCで使用される触媒の主要な活性成分は白金ではありません。一般的にFCC触媒の主要な活性成分は合成ゼオライトです。触媒は40~80μmの微粒子形状をしています。
接触分解プロセスは、沸点の高い重質炭化水素を選択的に分解し、付加価値の高い留分を得るプロセスです。
重油留分は流動接触分解装置により固体触媒存在下で分解し、より低沸点であるLPG留分、ガソリン留分及び中間留分を得ます。クラッキングとも呼ばれます。
参考資料
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FCC触媒
cmaj.jp
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重油の流動接触分解プロセス(FCC, Fluidized Catalytic Cracking)
www0.scej.org
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製油所精製工程の概要
www.eneos.co.jp