石油精製業で利用されているアルキル化法とその生産物であるアルキレート(alkylate)について次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 石油精製におけるアルキル化とは、炭化水素とオレフィン系炭化水素の付加反応のことである。
- 原料となる炭化水素は、イソパラフィンとオレフィン系炭化水素であるブテンやプロピレンの留分であり、反応生成物はイソオクタンを主成分とするアルキレートである。
- 接触分解装置からのイソブタンーブチレン留分そのままでは組成的にイソブタンが不足する。その対策として接触改質装置などからのイソブタンを加えたりする。
- アルキレートは、優れた性能を持つ高オクタン価な基材であり、また芳香族及びオレフィン化合物を含まないので、環境規制の面からも重要なガソリンの基材である。
- 接触アルキル化法に使用される触媒は、主として塩酸又はフッ化水素である。
解答解説
正答は5番です。
接触アルキル化法(アルキレーションプロセス)では硫酸やフッ化水素等の酸を触媒として用います。
石油精製は、原油(粗油)から様々な石油製品を分離・精製する工程のことを指します。その際に行われるのが蒸留、水素化精製、接触分解、接触改質等のプロセスです。
常圧蒸留装置や接触分解装置から得られたLPGはアルキレーション装置でオクタン価が高められます。パラフィン系炭化水素(イソブタンなど)と、オレフィン系炭化水素(プロピレンやブチレンなど)との反応により、高オクタン価のイソパラフィンを得ます。高温高圧無触媒で製造するプロセスもありますが、商業的には硫酸やフッ化水素等の酸を触媒として用いる接触アルキル化プロセスが広く普及しています。
参考資料
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アルキレーション
oilgas-info.jogmec.go.jp