プラスチックや繊維と比較して、ゴムが持っている特性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 結晶化しやすい。
- エントロピーが小さい。
- 弾性率が小さい。
- ガラス転移点が高い。
- 凝集エネルギーが大きい。
解答解説
正答は3番です。
弾性率は物質の硬さや変形のしにくさを表す指標です。ゴムの特徴である大きな変形と元の形への回復は、低い弾性率によって実現されています。この特性は「ゴム弾性」と呼ばれ、ゴムの最も基本的な特徴です。
ゴムの弾性は「エントロピー弾性」と呼ばれる現象に基づいています。力を加えていない状態は高分子鎖が動ける自由度が高くエントロピーが大きい状態です。反対にゴムへ力を加えると高分子鎖が引き延ばされ自由度が無くなることからエントロピー小さくなります。つまりゴムの弾性は分子鎖が自由に運動し、確率的にまるまった形を取りやすいことから生じます。
ゴムは一般的に非晶質または低結晶性であり、プラスチックの方が結晶化しやすい傾向があります。また多くのゴムは低いガラス転移点を持っており、室温で柔軟性を保っています。
参考資料
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高分子の融点とガラス転移点
www.ecosci.jp
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チコちゃんは知っていた!ゴムはなぜ元に戻るのか
www.kek.jp