平成24年度 問29

次のように、トラック輸送を鉄道輸送に転換した場合のCO2削減率として、最も近い値はどれか。

発地A、着地B、発地側積み替え駅A1、着地側積み替え駅B1
年間貨物量:5,000 t
現状輸送経路:A-(トラック500 km)→ B
転換後輸送経路:A-(トラック45 km)→ A1-(鉄道450 km)→ B1-(トラック50 km)→ B
鉄道のCO2排出原単位:21 g CO2 t-1km-1
トラックのCO2排出原単位を以下の条件をもとに計算せよ。
トラックの燃料消費原単位は、56 g燃料 t-1km-1とする。
トラック用燃料の成分は、C17H34とする。
燃料は完全燃焼する。
C、H、Oの原子量は、それぞれ12、1、16とする。

  1. 30%
  2. 40%
  3. 50%
  4. 60%
  5. 70%

解答解説

正答は5番です。

鉄道のCO2排出原単位は、問題より21 g CO2 t-1km-1です。

トラックのCO2排出原単位は、燃料原単位56 g燃料 t-1km-1から計算します。燃料はC17H34ですので、燃焼式を考えます。

C17H34 +25.5 O2 → 17 CO2+17 H2O

燃料1モルを燃焼するとCO2が17モル発生することが分かります。C17H34およびCO2の分子量は、それぞれ238と44です。トラックのCO2排出原単位は56 / 238 × 17 × 44=176 g CO2 t-1km-1となります。

輸送経路の変更前後でのCO2排出量を計算します。

現状輸送経路:500 × 176=88,000 g CO2 t-1
転換後輸送経路:(95 × 176)+(450 × 21)=9,450 g CO2 t-1

得られた単位が g CO2 t-1ですが、年間貨物量5,000 tは変わらず、今回求めるのは削減率ですのでそのまま使用できます。

輸送方法を変更したとき、9,450 / 88,000 × 100=30%に減少していますので、削減率は70%です。

2024年3月10日 広告

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