詰まりの原因
粉体が詰まる原因を紹介します。
圧力と摩擦
下部の粉体が上から圧力を受けることで粉体が押し固められます。
また圧力に伴う摩擦で粉が滑りにくくなることも原因となります。
付着性や凝集性
大きな塊や粒体と異なり、粉体そのものに付着性や凝集性があります。
温度や湿度
温度や湿度など環境変化に伴い粉体の性状が変化します。
例えば吸湿することで付着性が向上したり、高温で溶けて凝集したりする例も挙げられます。
粉体の状態
粉体の排出状態によって種類が分けられます。
マスフロー(理想形)
粉体がスムーズに流れている状態をマスフローと呼びます。
これが理想です。
ファネルフロー(部分排出)
粉体が固まってしまい上部からしか流れない状態をファネルフローと呼びます。
更に流動する粉体がなくなり塊しか残っていない状態をラットホールと呼びます。
ブリッジ(非排出)
排出口付近で粉体が固まり、アーチ状に閉塞した状態をブリッジと呼びます。
この状態では粉体は排出されません。
詰まり対策
代表的な粉体詰まりの対策を紹介します。
ホッパー形状の変更
ホッパー自体を改造して、粉体が流れやすくしたり閉塞しにくくしたりします。
以下のような方法があります。
- 排出口径を大きくする
- 傾斜を厳しくする
- 偏心形状にする
ホッパーのコーティング・研磨
ホッパーが滑りやすくなるようコーティングします。
よくフッ素樹脂コーティングが採用されます。
異物混入や化学的な影響の面からコーティングが出来ない場合、研磨によって平滑性を向上させる施策もあります。
振動や衝撃を与える
ブリッジブレーカーと呼ばれる粉体詰まりを解消する装置を組み込みます。
例えば振動させるバイブレーターや衝撃を与えるノッカーが代表的です。
もちろん手やハンマーで叩くのも同様の効果があります。
ただし、特にノッカーは粉が詰まったり騒音の原因になったりもします。
エアブロー
ホッパー内に圧縮空気を送り込むことで詰まりを解消させます。
このような機器をエアレーターと呼びます。
振動とエアブローを併用した機器も存在します。
ただし使い方によっては粉塵による作業環境悪化に繋がりますので注意してください。