AI、機械学習、ディープラーニングの違い

2021年9月23日 広告

製造業やプラント業界でもAI(人工知能)の活用が進んでいます。予知保全、品質予測、プロセス最適化など、様々な場面でAI技術が導入されつつあります。

しかし「AI」「機械学習」「ディープラーニング」という言葉が混同されがちです。この記事では、これらの概念の違いと関係性を整理し、プラント技術者として押さえておくべきポイントを解説します。

AI・機械学習・ディープラーニングの関係

AIの手段として機械学習があり、機械学習の手法の一つがディープラーニングです。

これらは入れ子構造になっており、以下のような関係です。

AI、機械学習、ディープラーニングの関係

AI(人工知能)とは

AIは「人間の知能を模倣するコンピュータシステム」の総称です。

重要なのは、AIは「目的」であり「手段」ではないということ。「人間のように判断・予測・最適化を行いたい」という目的を達成するために、様々な技術が使われます。

機械学習(ML)とは

機械学習はAIを実現するための「手段」の一つです。

特徴は「データから法則を自動的に学習する」こと。従来のプログラミングでは人間がルールを記述しますが、機械学習ではデータを与えることでコンピュータ自身がルールを見つけ出します。

例えば、熱交換器の汚れ具合を予測したい場合、過去の運転データと実際の汚れ状況を学習させることで、新しいデータから汚れ具合を予測できるようになります。

ディープラーニング(DL)とは

ディープラーニングは機械学習の手法の一つで、「多層のニューラルネットワーク」を使用します。

「Deep(深い)」は層が深い(多い)ことを意味します。層を重ねることで、より複雑なパターンを認識できるようになりました。

特に画像認識・音声認識・自然言語処理で威力を発揮します。

機械学習の3つのタイプ

機械学習は学習方法によって3つに分類されます。

教師あり学習

正解データ(ラベル)付きのデータで学習します。

  • 回帰:数値を予測(例:反応温度から収率を予測)
  • 分類:カテゴリを予測(例:製品の良品・不良品判定)

代表的な手法:線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、SVM

教師なし学習

正解データなしで、データの構造やパターンを見つけます。

  • クラスタリング:似たデータをグループ化(例:装置の運転パターン分類)
  • 次元削減:多数の変数から重要な特徴を抽出

代表的な手法:k-means法、主成分分析(PCA)

強化学習

試行錯誤を通じて最適な行動を学習します。ロボット制御やゲームAIで活用されています。

プラントでのAI活用事例

製造業・プラント業界で実際に活用されている事例を紹介します。

予知保全(Predictive Maintenance)

センサーデータから設備の故障を予測し、計画的なメンテナンスを実現します。

突発故障による生産停止を防ぎ、過剰な予防保全も削減できます。

品質予測・プロセス最適化

運転条件と品質データの関係を学習し、最適な運転条件を導き出します。

熟練オペレーターの経験則を定量化することも可能です。

画像認識による検査

ディープラーニングによる画像認識で、目視検査の自動化・高精度化を実現します。

外観検査、異物検出、メーター読み取りなどに活用されています。

異常検知

正常時のデータパターンを学習し、逸脱を検知します。

従来の閾値監視では見つけにくい異常の早期発見に有効です。

学習を始めるには

プラント技術者がAI/機械学習を学ぶためのステップを紹介します。

  1. Pythonの基礎:まずはプログラミング言語Pythonを習得
  2. データ分析の基礎:pandas、NumPyでのデータ操作
  3. 機械学習ライブラリ:scikit-learnで基本的な手法を実践
  4. 実務データでの検証:自社データで試行錯誤

最初から完璧を目指す必要はありません。小さなテーマから始めて、徐々にスキルを広げていくことをおすすめします。

オススメ書籍

・最強のデータ分析組織

大阪ガスの中で一からデータ分析組織を作りあげ、多くの実績を上げて外部からも注目されるようになった経験を綴った書籍です。
これからDX推進を進めていこうと考える製造業の方にオススメです。

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか
最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

www.amazon.co.jp

・付加価値ファースト

旭鉄工による設備の稼働状況を可視化してムダを削減・効率化した事例です。
更にこのIoTシステムをサービス化し、i Smart Technologiesという会社を立ち上げることまで成功しています。
製造業に携わっているなら誰もが読んでおくべき数少ないDX成功企業の事例です。

付加価値ファースト 〜常識を壊す旭鉄工の経営~
付加価値ファースト 〜常識を壊す旭鉄工の経営~

www.amazon.co.jp

・小説 第4次産業革命

自社を想像して、ヒト・モノ・カネの動きが詳細に把握できますか?
新規ライン立ち上げや急な変更が起きた時に原価への影響を見積もれますか?
多くの業種で直面するDXの重要性や、それに対応する過程をドラマ仕立てで描かれた小説です。

小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!
小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!

www.amazon.co.jp

関連記事

-データ分析