令和6年度 問2

分子の電子遷移過程の間で、各原子の位置が変化しないことを示す最も適切なものはどれか。

  1. ボルン-オッペンハイマー近似
  2. カッシャの規則
  3. フランク-コンドンの原理
  4. デクスター機構
  5. ランベルト-ベールの法則

解答解説

正答は3番です。

フランク-コンドンの原理は、分子の電子遷移が原子核の運動に比べて非常に速く起こることを表します。これは核が電子よりも約1,840倍重いことに起因します。

その他、選択肢にある項目についても簡単に紹介しておきます。

  1. ボルン-オッペンハイマー近似:電子状態を計算する際、原子核が固定されているものとして扱う
  2. カッシャの規則:発光(蛍光もしくは燐光)のほとんどは、与えられた多重度の最低励起状態から起こる
  3. デクスター機構:励起電子状態がある分子(ドナー)から別の分子(アクセプター)へ移動することによる消光機構
  4. ランベルト-ベールの法則:光の物質による吸収は、伝搬距離と溶液の濃度に比例する

参考資料

励起状態その後(失活過程)ITLE>
フランク・コンドンの原理

www.st.hirosaki-u.ac.jp

http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/phychem/maeda/kougi/BQC/2012/11MAY12.pdf
ボルン-オッペンハイマー近似

acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp

株式会社奥本研究所
カシャ(Kasha)の法則

olab.co.jp

エネルギー移動
デクスター機構

www.chem-station.com

ランベルト・ベールの法則とは - 公式や吸収スペクトルについて解説 - 光学技術の基礎用語
ランベルト-ベールの法則

www.optics-words.com

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2024年12月12日 広告

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