化学部門における過去の受験データを表にまとめました。
2024年3月において技術士(化学部門)が全体に占める割合は約1.43%であり、徐々に比率は低下傾向です。
難易度の高い二次試験において、受験者に対する合格率は化学部門が20%近くあり、全体データの約10%よりも高い状態が続いています。
化学部門の全体割合
登録者数をみると、技術士(化学部門)が全体に占める割合は、2024年3月において全体122,953名に対し化学部門1,764名です。比率として約1.43%です。
少しずつ化学部門の人数は増加しているものの、全体数の伸びの方が強く比率は低下傾向です。
調査年月 | 化学部門 | 登録数合計 | 化学部門の比率 |
---|---|---|---|
2011年3月 | 1,436 | 86,364 | 1.66% |
2012年3月 | 1,467 | 90,050 | 1.63% |
2013年3月 | 1,489 | 93,225 | 1.60% |
2014年3月 | 1,521 | 96,654 | 1.57% |
2015年3月 | 1,550 | 96,654 | 1.60% |
2016年3月 | 1,588 | 100,107 | 1.59% |
2017年3月 | 1,607 | 106,323 | 1.51% |
2018年3月 | 1,626 | 108,965 | 1.49% |
2019年3月 | 1,657 | 111,644 | 1.48% |
2020年3月 | 1,687 | 114,341 | 1.48% |
2021年3月 | 1,697 | 115,353 | 1.47% |
2022年3月 | 1,725 | 118,265 | 1.46% |
2023年3月 | 1,746 | 120,664 | 1.45% |
2024年3月 | 1,764 | 122,953 | 1.43% |
(技術士登録者の部門別女性割合より作成)
一次試験の受験者、合格者
年度 | 元号 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者に対する合格率(%) |
---|---|---|---|---|---|
2010 | 平成22年 | 329 | 257 | 137 | 53.3 |
2011 | 平成23年 | 343 | 294 | 114 | 38.8 |
2012 | 平成24年 | 286 | 226 | 167 | 73.9 |
2013 | 平成25年 | 283 | 227 | 110 | 48.5 |
2014 | 平成26年 | 279 | 218 | 182 | 83.5 |
2015 | 平成27年 | 306 | 235 | 159 | 67.7 |
2016 | 平成28年 | 332 | 281 | 186 | 66.2 |
2017 | 平成29年 | 308 | 245 | 166 | 67.8 |
2018 | 平成30年 | 325 | 257 | 130 | 50.6 |
2019 | 令和元年 | 333 | 116 | 75 | 64.7 |
2020 | 令和2年 | 230 | 181 | 105 | 58.0 |
2021 | 令和3年 | 254 | 192 | 93 | 48.4 |
2022 | 令和4年 | 256 | 194 | 107 | 55.2 |
2023 | 令和5年 | 226 | 173 | 112 | 64.7 |
(日本技術士会および文部科学省のデータより作成)
二次試験の受験者、合格者
二次試験は4つの選択科目に分かれていますので、全体と科目別に分けて紹介します。
2019年度(令和元年)より「燃料及び潤滑油」の項目が「有機化学」と統合されていることから、2018年以前のデータは「有機化学及び燃料」内に合算して記載します。
化学部門全体のデータ
まず化学部門全体に関するデータです。
受験者に対する合格率は全体で見ると10%程度に対し、化学部門は20%近くあることから、比較的合格率は高い状態が続いています。
年度 | 元号 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 受験者に対する合格率(%) |
---|---|---|---|---|---|
2014 | 平成26年 | 153 | 132 | 32 | 24.2 |
2015 | 平成27年 | 152 | 140 | 39 | 27.9 |
2016 | 平成28年 | 160 | 130 | 32 | 24.6 |
2017 | 平成29年 | 158 | 133 | 37 | 27.8 |
2018 | 平成30年 | 158 | 137 | 25 | 18.2 |
2019 | 令和元年 | 149 | 135 | 29 | 21.5 |
2020 | 令和2年 | 138 | 119 | 29 | 24.4 |
2021 | 令和3年 | 156 | 134 | 24 | 17.9 |
2022 | 令和4年 | 152 | 124 | 23 | 18.5 |
2023 | 令和5年 | 150 | 129 | 24 | 18.6 |
(日本技術士会および文部科学省のデータより作成)
選択科目別の受験者数データ
選択科目間の受験者数データを比較しました。
※2019年度(令和元年)より「燃料及び潤滑油」の項目が「有機化学」と統合されていることから、2018年以前のデータは「有機化学及び燃料」内に合算して記載します。
年度 | 元号 | 無機化学及びセラミックス | 有機化学及び燃料 | 高分子化学 | 化学プロセス | 全体受験者 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 平成26年 | 36 | 24 | 34 | 38 | 132 |
2015 | 平成27年 | 37 | 27 | 43 | 33 | 140 |
2016 | 平成28年 | 33 | 31 | 34 | 32 | 130 |
2017 | 平成29年 | 47 | 25 | 33 | 28 | 133 |
2018 | 平成30年 | 45 | 30 | 29 | 33 | 137 |
2019 | 令和元年 | 49 | 22 | 27 | 37 | 135 |
2020 | 令和2年 | 42 | 25 | 26 | 26 | 119 |
2021 | 令和3年 | 41 | 26 | 33 | 34 | 134 |
2022 | 令和4年 | 34 | 30 | 33 | 27 | 124 |
2023 | 令和5年 | 36 | 32 | 32 | 29 | 129 |
(日本技術士会および文部科学省のデータより作成)
受験者データをグラフ化すると以下のようになります。
選択科目別の合格者数データ
選択科目間の合格者数データを比較しました。
※2019年度(令和元年)より「燃料及び潤滑油」の項目が「有機化学」と統合されていることから、2018年以前のデータは「有機化学及び燃料」内に合算して記載します。
年度 | 元号 | 無機化学及びセラミックス | 有機化学及び燃料 | 高分子化学 | 化学プロセス | 全体合格者 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 平成26年 | 9 | 8 | 9 | 6 | 32 |
2015 | 平成27年 | 11 | 8 | 12 | 8 | 39 |
2016 | 平成28年 | 7 | 8 | 11 | 6 | 32 |
2017 | 平成29年 | 11 | 10 | 10 | 6 | 37 |
2018 | 平成30年 | 4 | 8 | 6 | 7 | 25 |
2019 | 令和元年 | 7 | 6 | 8 | 8 | 29 |
2020 | 令和2年 | 7 | 5 | 10 | 7 | 29 |
2021 | 令和3年 | 6 | 5 | 6 | 7 | 24 |
2022 | 令和4年 | 5 | 7 | 5 | 6 | 23 |
2023 | 令和5年 | 7 | 7 | 4 | 6 | 24 |
(日本技術士会および文部科学省のデータより作成)
合格者データをグラフ化すると以下のようになります。
試験内容の改定
技術士試験における変更点は日本技術士会の「技術士試験における変更点」にまとめられています。
2019年度(令和元年)より選択科目のうち「燃料及び潤滑油」の項目が「有機化学」と統合されています。
また化学工学系の科目が「化学プロセス」と幅広い領域に対応するようになりました。
全体的に、製品に特化した記載から、関連する技術も盛り込むような記載に変わった印象です。
新 | 旧 |
---|---|
・無機化学及びセラミックス ・有機化学及び燃料 ・高分子化学 ・化学プロセス | ・セラミックス及び無機化学製品 ・有機化学製品 ・燃料及び潤滑油 ・高分子製品 ・化学装置及び設備 |
(技術部門別の選択科目の内容【新旧対照表】より作成)
また一次試験は2016年に12月に専門科目を部門ごとではなく「系」で括る案が示されました。
「試験難度の安定化」や「運営効率化」の観点から未だに検討が進められているものの、8年経った2024年6月の資料でも継続的検討事項に盛り込まれている状況です。
化学部門はマテリアル系に括られ、化学、繊維、金属、資源工学、衛生工学、環境、原子力・放射線の7部門と同じ系統であると考案されています。
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今後の技術士制度の在り方について
www.mext.go.jp
オススメ書籍
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化学部門の回答例を用いて、各設問の意図を明確にしたうえで丁寧な解説がされています。受験申込書の書き方についての解説も詳しいです。化学部門を受けるならこの書籍一択です。
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