回分反応器でA→Bの反応を行った。この反応は反応物Aの濃度cAの二次反応である(次式)。
$$ \frac{dc_{A}}{dt}=-kc_{A}^{2}$$
(t:時間、k:反応速度定数)
初期濃度cA0から反応を開始して、t=1時間でcA=0.5cA0となった。cA=0.25cA0となるのは反応開始から何時間後か。次のうち最も近い値はどれか。
- 1.5時間
- 2時間
- 2.5時間
- 3時間
- 4時間
解答解説
正答は4番です。
反応速度式dcA/dt=-kcA2は微分方程式であるため分離変数法で分解します。
まず変数Cとtで分けるためdcA/cA2=-kdtの形に変形します。
cAの関数として左辺を、tの関数として右辺をそれぞれ積分します。
∫(1/cA2)dcA=∫−kdt
-1/cA=-kt+定数
初期条件、t=0の時、-1/cA0=-k × 0 + 定数となり、-1/cA0=定数が成り立ちます。この式を元の積分後の式に代入します。
-1/cA=-kt+(-1/cA0)
1/cA=kt+1/cA0
Cは反応後の原料濃度ですので、50%反応した時はcA=0.5cA0とみなせます。1時間後に反応率が50%になっていることから反応速度定数を求めます。
1/cA=kt+1/cA0
1/(0.5cA0)=k × 1+1/cA0
2/cA0=k+1/cA0
k=1/cA0
反応定数kが求まりましたので、cA=0.25cA0の時の反応時間を考えます。75%反応したことを意味します。
1/cA=kt+1/cA0
1/(0.25cA0)=(1/cA0)t+1/cA0
4/cA0=t/cA0 +1/cA0
4=t+1
t= 3 時間
よってcA=0.25cA0となるのは、反応を開始してから3時間後です。