令和4年度 問18

スチレンのアニオン重合を行うには求核性の高い試薬を開始剤として用いる必要がある。次の試薬のうち、スチレンのアニオン重合の開始剤として、最も適切なものはどれか。

解答解説

正答は2番です。

アニオン重合の開始剤となりうるのは一般に強塩基であったり求核性が高い化合物です。中でもアルキルリチウム化合物は、スチレンのアニオン重合に最も広く使用される開始剤です

1番のグリニャール試薬も強い求核剤です。しかしアルキルリチウム化合物の方が適しています。

4番は強塩基であるカリウム tert-ブトキシドですのでアニオン重合開始剤として使用されることがあります。ただしスチレンの重合開始剤としては求核性が弱く適していません。

アゾ化合物(3番)や過酸化物(5番)は熱により結合が開裂してラジカルを発生することからラジカル重合開始剤として用いられます。

参考資料

ラジカル重合の開始剤の種類と性質  |  ひつじの高分子化学ラボ
ラジカル重合開始剤の種類

chem-labo.com

アニオン重合 Anionic Polymerization | Chem-Station (ケムステ)
アニオン重合

www.chem-station.com

https://www1.meijo-u.ac.jp/~tnagata/education/ochem1/2021/ochem1_15.pdf
有機金属化合物の反応・多段階合成

www1.meijo-u.ac.jp

2024年3月11日 広告

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