水素エネルギー技術水素エネルギー技術は、(A)水素製造技術、(B)水素貯蔵・輸送技術、(C)水素供給・利用技術に大別される。次の記述のうち、下線部が最も不適切なものはどれか。
- 水素製造技術:水素製造は、水素を他のエネルギーから製造する過程である。製造方法の1つである化石燃料の水蒸気改質とシフト反応により水素を製造する技術は、既に実用化段階にある。1 化石燃料を燃やす場合と異なり、水素を製造する際には、二酸化炭素を発生しない。
- 水素貯蔵・輸送技術:水素を製造地から需要地に効率良く輸送し、一定時間貯蔵するための技術である。輸送技術の1つである高圧ガス輸送は、水素を19.6 MPaに 2 加圧してシリンダーに充填し、それを束ねてカードルとして運搬する。別の輸送技術として液化水素輸送がある。これは水素を-253℃以下に 3 冷却し、液化水素ローリーなどで運搬する。より高効率な水素輸送技術として、トルエン系有機ハイドライド法の実証研究が進められている。これは、4 水素製造地において、トルエンを水素化してメチルシクロヘキサンとして輸送した後、需要地でメチルシクロヘキサンを脱水素化し、トルエンは水素製造地に戻し再利用するシステムである。
- 水素供給・利用技術:水素の利用先として、燃料電池自動車や定置用燃料電池の実証が進められている。5 燃料電池自動車に水素を供給するためには、水素ステーションなどの供給技術も重要である。
解答解説
正答は1番です。
化石燃料から水素を製造する場合(例えば水蒸気改質法)、実際には二酸化炭素が発生します。水素製造方法は様々あり、製造過程でのCO2排出量によって「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」などに分類されます。
- グレー水素:化石燃料から製造され、CO2を排出
- ブルー水素:化石燃料から製造されるが、CCS/CCUSでCO2排出を削減
- グリーン水素:再生可能エネルギーを使用し、製造過程でCO2を排出しない
参考資料
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CCS/CCUS とは?
www.aist.go.jp
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SPERA水素システムについて
www.chiyodacorp.com