石炭に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 工業分析において、水分、揮発分、灰分の百分率の合計を100から差し引いた値を固定炭素という。
- 石炭の工業分析のうち、固定炭素(%)を揮発分(%)で割った値を燃料比という。
- 石炭は、種々の特性値や用途などによって分類されているが、分額方式は国によって違いはなく、世界規格で統一されている。
- 褐炭の石炭化度は、無煙炭の石炭化度より小さい。
- 無煙炭の石炭化度は、れき青炭の石炭化度より大きい。
解答解説
正答は3番です。
石炭は様々な特性や用途に基づいて分類されますが、その方法は国や地域によって異なります。例えば、日本では一般に無煙炭から褐炭までを石炭と呼んでいますが、これは必ずしも世界共通の定義ではありません。
石炭の品質表示として水分・灰分・揮発分・固定炭素の合計4つの成分を百分率として表します。そして工業分析で得られる固定炭素の揮発分に対する比率を燃料比と呼びます。石炭化度が進むにつれて、固定炭素の割合が増加し、揮発分の割合が減少するため燃料比は増加します。
石炭は、炭素の濃集度合(石炭化度)と用途により分類されています。石炭化度が高い、つまり高品質な順に無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炎、褐炭と分類されます。
粘結性とは、石炭が加熱されたときに軟化・溶融し、再び固化して強固なコークスを形成する性質のことを指します。この特性により、高炉内で鉄鉱石を還元するために必要な強度と反応性を持つコークスが生産されます。原料炭は瀝青炭の中で粘結性が高い石炭です。
参考資料
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石炭の分類について
coal.jogmec.go.jp
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石炭生産国・消費国の現況
coal.jogmec.go.jp
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石炭関連規制
www.jcoal.or.jp