令和2年度 問6

赤外分光法に関する記述問題文赤外分光法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 赤外スペクトルを測定すれば、その分子の中にどんな種類の結合(官能基)が存在するかわかる。
  2. 4000~2500 cm-1の領域はN-H、O-H、C-H単結合に基づく吸収に相当している。
  3. 2500~2000 cm-1の領域は三重結合の伸縮が起こる所であり、C≡NとC≡Cがここに吸収を示す。
  4. 強い水素結合を形成しているとその結合の吸収帯の幅は広くなる。
  5. 結合の双極子モーメントが大きいと赤外スペクトルの吸収帯の強度は弱くなる。

解答解説

正答は5番です。

赤外吸収により分子の結合が伸縮、つまり振動します。赤外吸収する振動にも制限があり、双極子モーメントの変化によって生じるもののみです。双極子モーメントが大きいほど吸収は強くなります。

4番の水素結合による吸収幅の広がりは、同じ分子でもわずかに異なる水素結合強度であるため、結果として水素結合の吸収帯が広がります。

参考資料

FTIRの基礎(1) 赤外分光法の原理 | 日本分光株式会社
FTIRの基礎

www.jasco.co.jp

2024年3月11日 広告

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