令和元年度(再試験) 問20

次の記述の【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

 【 ア 】で区切られた2つの部屋の左側に純溶媒を、右側に質量濃度Cの高分子の溶液を入れる。この系が平面状態にあるとき、左側の圧力をp、右側の圧力をp+πとすると、πを【 イ 】といい、無限希釈状態(C→0)で次式が成り立つ。
 π=RTC/M
 ここでR、Tはそれぞれ気体定数、絶対温度であり、Mは高分子の場合、【 ウ 】である。この式は【 エ 】と呼ばれる。一方、Cが有限濃度である場合は
 π/RTC=1/M+AC+…
のように近似することができ、この式の比例定数を【 オ 】という。

選択肢
1半透膜浸透圧重量平均分子量ファンデルワールスの式第3ビリアル係数
2透過膜透過圧重量平均分子量ファンデルワールスの式第3ビリアル係数
3半透膜浸透圧数平均分子量ファンデルワールスの式第1ビリアル係数
4透過膜透過圧数平均分子量ファントホッフの式第2ビリアル係数
5半透膜浸透圧数平均分子量ファントホッフの式第2ビリアル係数

解答解説

正答は5番です。

半透膜は溶媒分子のみを通し、溶質分子は通さない膜のことを指します。右側の部屋は高分子の濃度が高い液であるため、左右の部屋には濃度勾配があります。この濃度勾配を減らそうと、左の部屋から右の部屋へ(濃度の高い方へ)液が流れます。この時の力 π を浸透圧と呼びます。

浸透圧はπ=RTC/Mで表され、ファントホッフの式と呼ばれます。Cが有限濃度の時、各項の係数 Amを第 mビリアル係数と呼びます。特に希薄溶液では、2つの分子鎖間の相互作用の効果をあらわす第 2ビリアル係数が重要な意味を持ちます。

参考資料

浸透圧(公式・単位・計算問題・求め方・ファントホッフの法則) | 化学のグルメ
浸透圧(公式・単位・計算問題・求め方・ファントホッフの法則)

kimika.net

https://www7b.biglobe.ne.jp/~ftanaka/member/ftanaka/webct/solution.pdf
高分子溶液の特徴

www7b.biglobe.ne.jp

2024年3月10日 広告

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