平成30年度 問35

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メタノール水溶液を87.7℃で長時間保持し、気液平衡を成り立たせた。このときの液相のメタノール組成が0.10[モル分率]であった。これに平衡な気相のメタノール組成[モル分率]に最も近い値はどれか。ただし、87.7℃でのメタノール及び水の飽和蒸気圧は、それぞれ236.7 kPa及び64.24 kPaである。また、メタノール及び水の活量係数はそれぞれ1.786及び1.009である。

  1. 0.11
  2. 0.13
  3. 0.21
  4. 0.24
  5. 0.42



解答解説

正答は5番です。

活量係数は、実在溶液の挙動が理想溶液からどの程度離れているかを表す指標です。理想溶液ではラウールの法則が成り立ちますが、実在溶液ではこの法則からの差が生じます。この差を表現するのが活量係数です。理想溶液では活量係数が1になります。

液相のメタノール濃度が10%(モル基準)であるため、水は90%です。メタノールと水それぞれの分圧を求めます。
メタノールの分圧:236.7 kPa × 0.1 × 1.786=42.3 kPa
水の分圧:64.24 kPa × 0.9 × 1.009=58.3 kPa

ドルトンの分圧の法則より、気相の全圧は各分圧を足した値となります。42.3 kPa+58.3 kPa=100.6 kPa

よって、気相のメタノール濃度は42.3 kPa / 100.6 kPa=0.42です。

2024年3月10日