結晶化度0%のポリエチレンテレフタレート(PET)を室温から280℃まで、一定速度で昇温させて示差走査熱量計(DSC)で測定を行った。その結果(下図)に関する次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。なお、図中のA~Dは設問中のA~Dに対応する。
まず【 A 】状態のPETを室温から昇温していき、試料の温度が【 B 】に到達すると、高分子の分子運動が増大し、【 A 】状態から過冷却液体状態に変化する。さらに昇温を続けると、発熱ピークが出現する。これは、【 C 】に起因する。その後、ある温度に到達すると【 D 】による吸熱ピークが出現し、エンタルピーが急激に増加する。
選択肢 | A | B | C | D |
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1 | ガラス | ガラス転移点 | 結晶化 | 分解 |
2 | 非晶 | 結晶化温度 | 一次転移 | 融解 |
3 | 結晶 | 融点 | ガラス転移点 | 分解 |
4 | ガラス | ガラス転移点 | 結晶化 | 融解 |
5 | 結晶 | 二次転位点 | 一次転移 | 分解 |
解答解説
正答は4番です。
Aの状態はガラス状態です。結晶化度0%のPETは非晶質(アモルファス)で、室温ではガラス状態にあります。
Bのガラス転移点に到達すると、分子運動が増大し、ガラス状態から過冷却液体状態に変化します。
Cの発熱ピークは結晶化によるものです。非晶質のPETが熱を得て分子が再配列し、結晶構造を形成する過程で熱を放出します。
Dの吸熱ピークは融解によるものです。形成された結晶が融けるときに熱を吸収します。
参考資料
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示差走査熱量計(DSC)の原理と応用
www.jaima.or.jp