アセタールとチオアセタールに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- アルデヒドとケトンは、酸触媒の存在下でアルコールと反応して、アセタールを与える。
- アセタールは塩基によってアルデヒドやケトンに加水分解されるが、酸に対しては安定である。
- アセタールは、アルデヒドやケトンの保護基として役立つ。
- アルデヒドとケトンはチオールと反応してチオアセタールを与える。
- チオアセタールは、ラネーニッケルで処理することによって脱硫される。
解答解説
正答は2番です。
アセタールは酸に対して不安定であり、酸触媒によって加水分解されてアルデヒドやケトンに戻ります。反対に塩基には安定です。アセタール生成時に酸触媒を必要としますが、アセタールを単離する場合は最後に塩基で処理する必要があります。
アセタールは同じ炭素原子に2つのエーテルが結合した構造、チオアセタールはアセタールの酸素原子が硫黄に置き換わった構造です。カルボニル基の保護基となります。例えばエチレングリコールを酸触媒下でカルボニル化合物に作用させることでアセタールが得られます。
5番のラネーニッケル触媒はニッケルとアルミニウムの合金を水酸化ナトリウム溶液で処理して作られます。水素化反応や脱硫反応に使用できます。
参考資料
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アルデヒド・ケトンの反応
www1.meijo-u.ac.jp
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Raney Nickel
www.masterorganicchemistry.com