内径0.4 m、深さ0.7 m、壁厚さ10 mmのジャケット付き撹拌槽に深さ0.4 mまで溶液を入れ、110℃の飽和水蒸気をジャケットに通して加熱する。ただし、ジャケットは側面のみに付いている。
溶液は十分撹拌されているので温度は一様であり、撹拌槽内溶液温度は30℃である。
総括伝熱係数(U)が500 Wm-2K-1であるとき、時間当たりの入熱量は、次のどの値に最も近いか。
ただし、1 W=1 Js-1とする。
- 5,600 kJh-1
- 8,400 kJh-1
- 72,000 kJh-1
- 99,000 kJh-1
- 130,000 kJh-1
解答解説
正答は3番です。
伝熱の計算式Q=UAΔTを用います。
飽和水蒸気の温度が110℃、撹拌槽内の溶液温度30℃であるため、温度差ΔT=110-30=80℃=80 Kです。
円筒形のジャケット付き撹拌槽ですので、伝熱するのは胴部の表面積となります。A=内径0.4 m × π × 深さ0.4 m=0.5024 m2です。
よって、伝熱量Q=500 Wm-2K-1 × 0.5024 m2 × 80 K=20096 Wです。1 W=1 Js-1であるため、20096 Js-1となります。回答の単位はkJh-1ですので単位を変換します。20096 Js-1 / 1000 × 3600=72345 kJh-1となり、最も近い値は72,000 kJh-1です。