平成27年度 問33

　撹拌動力Pは無次元動力数N_pを用いP＝N_p（ρn³D⁵）と表される。ある撹拌槽において1.5 kWのモーター付きで、120 rpmまで回転数を上げることができる撹拌機が付いている。この撹拌機の動力を0.75 kWに替えた場合、回転数の上限に最も近い値はどれか。
　ただし、Nは一定とし、2^1/3は1.26とする。
　なお、ρ：液密度［kg m^-3］、n：回転数［s^-1］、D：羽径［m］である。

1. 95 rpm
2. 100 rpm
3. 105 rpm
4. 110 rpm
5. 115 rpm

解答解説

正答は1番です。

同程度の撹拌能力を得るために無次元動力数を合わせてスケールアップさせます。

まず1.5 kWの場合に対して、無次元動力数の式に代入します。流体と撹拌槽が同じなため、ρとDは固定値になります。計算しやすいようρD⁵をaと置きます。また回転数120 rpmは1分当たりの回転数なので1秒当たりの回転数120/60＝2 s^-1に変換します。
N_p＝1.5 / 2³a
a＝0.1875/N_p

0.75 kWの場合に対して、無次元動力数の式に代入します。ここでN_pは約分されます。
N_p＝0.75 / (0.1875/N_p)n³
n³＝4
n＝(2²)^1/3
n＝(2^1/3)²
n＝1.26²
n＝1.59

求める回転数の単位はrpmですので、1.59×60＝95.4 rpmとなります。最も近い値は95 rpmです。