現在普及している家庭用燃料電池システムに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 80℃前後で作動する低温作動タイプの固体酸化物形燃料電池が利用されている。
- 燃料電池の運転に必要な水素は、都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素燃料からつくられる。
- 都市ガスやプロパンガスを利用する場合、混入されている付臭剤の有機硫黄化合物は脱硫器を通して除去する。
- 改質には水素の発生量が最も多い水蒸気改質法が利用される。
- 改質反応は反応温度が650℃以上で吸熱反応のため、燃料の一部を燃焼させて熱を供給する。
解答解説
正答は1番です。
現在普及している家庭用燃料電池システムは、主に固体高分子形燃料電池(PEFC)と固体酸化物形燃料電池(SOFC)の2種類があります。PEFCは低温作動タイプで、通常70-80℃程度の温度で作動します。対してSOFCは高温作動タイプで、通常600-1000℃の温度範囲で作動します。
燃料電池で使用する水素は、都市ガスやLPガスから水蒸気改質法や部分酸化法により改質することで製造されます。都市ガスやLPガスにはガス漏れを早期に発見するための安全対策として、微量の付臭剤が意図的に添加されています。燃料電池システムにおいて硫黄化合物は燃料電池の触媒を被毒し、性能を低下させる可能性があるため事前に除去しなければなりません。
参考資料
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エネファーム(家庭用燃料電池)
www.ace.or.jp
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燃料電池の知識
www.nano.kochi-tech.ac.jp
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燃料電池用原燃料中の付臭剤除去装置
patents.google.com