平成23年度 問19

液晶高分子に関する次のA~Eの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

  1. 液晶高分子は、メソゲンのつながり方により、主鎖型、側鎖型、及び複合型に分類される。
  2. リオトロピック液晶高分子は、溶液中で液晶性を発現し、高強度ファイバーの開発に適している。
  3. ポリアリラート(ポリアリレート)の多くは融点が高いので、芳香環への置換基の導入や芳香環間への屈曲性スペーサーの導入などにより融点を低下させて、サーモトロピック液晶高分子として用いられる。
  4. 全芳香族ポリアミドは、主としてサーモトロピック液晶高分子として利用する。
  5. コンピューターやテレビの表示材料の多くはリオトロピック液晶高分子である。

選択肢

  1. A、B
  2. A、C
  3. B、D
  4. B、E
  5. D、E

解答解説

正答は5番です。

Dの全芳香族ポリアミドは通常リオトロピック液晶として利用されることが多いです。

Eのコンピューターやテレビの表示材料には低分子液晶が使用されており、リオトロピック液晶高分子ではありません。

液晶高分子の分類方法にはいくつか種類があります。

  1. メソゲンのつながり方による分類
    • 主鎖型:液晶性を発現する剛直な部位(メソゲン)を主鎖に導入したもの
    • 側鎖型:側鎖に液晶性を発現する剛直な部位を導入したもの
    • 複合型:主鎖と側鎖の両方に液晶性を発現する剛直な部位を導入したもの
  2. 液晶性の発現方法による分類
    • サーモトロピック液晶:1成分からなり、温度変化によって液晶特性を示すもの
    • リオトロピック液晶:溶媒中で濃度変化によって液晶特性を示すもの
  3. 分子の形状による分類
    • 棒状分子型:最も一般的な液晶高分子の形状
    • 円盤状分子型:ディスコティック相を形成する
  4. 液晶相の構造による分類
    • ネマティック相:分子が一方向に配向した状態
    • スメクティック相:層状構造を持つ状態
    • コレステリック相(キラルネマティック相):螺旋構造を持つ状態
    • ディスコティック相:円盤状分子が積層したカラム構造を形成する状態

参考資料

https://www.tytlabs.co.jp/en/japanese/review/rev284pdf/284_013_kawasumi.pdf
機能性液晶高分子

www.tytlabs.co.jp

2024年3月9日 広告

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