ラウールの法則によれば、希薄溶液の蒸気圧Pは、純溶媒の蒸気圧P0と溶媒のモル分率X溶媒との積で求められる。1気圧、室温における15wt%の食塩水の蒸気圧は、同じ温度の純水の蒸気圧の何倍になるか。最も近い値を答えよ。
ただし、食塩は水溶液中で100%解離するものとし、イオン化されたNa+及びCl-は非揮発性とする。水の分子量は18、ナトリウムと塩素の原子量は、それぞれ23と35.5である。
NaCl→Na++Cl-
- 0.15
- 0.85
- 0.90
- 0.95
- 0.98
解答解説
正答は3番です。
問題文に記載のラウールの式を記述するとP=P0X溶媒で表されます。P/P0=X溶媒と変形できます。食塩水の蒸気圧と水の蒸気圧の比率を求められていることから、X溶媒がそのまま答えになります。
ラウールの式の注意点として、イオンされた分子はイオンを基準に計算します。つまりNaClの場合、イオン化されてNa+とCl-に分かれていることから、NaClの2倍の物質量となります。
食塩水が100 gあるとして、15wt%の食塩水における食塩と水の分子量を求めます。塩化ナトリウムの分子量は23+35.5=58.5です。
NaCl:15 [g] / 58.5 [g/mol] × 2=0.512 mol
H2O:85 [g] / 18 [g/mol]=4.72 mol
よって、X溶媒=4.72 / (0.512+4.72)=0.90です。