令和5年度 問30

 閉じたバルブにより接続された大小2基のタンクがある。100 m3のタンク1には1 MPaの気体が充填されており、5 m3のタンク2には100 MPaの気体が充填されている。気体は共に同じ理想気体であり、温度は共に25℃である。閉じていたバルブを開けて、2基のタンク内の圧力を均一とした場合の圧力として、最も適切な値はどれか。
断熱膨張による温度変化は考慮せず、25℃一定とする。
 また、気体の状態方程式はPV=nRTであり、Pは圧力(Pa)、Vは容積(m3)、nは気体の物質量(mol)、Rは気体定数(Jmol-1K-1)、Tは気体の温度(K)である。

  1. 5.5 MPa
  2. 5.7 MPa
  3. 5.9 MPa
  4. 6.1 MPa
  5. 6.3 MPa

解答解説

正答は2番です。

バルブを開けた時、全体の体積Vは100+5=105 m3です。また25℃の時の絶対温度Tは25+273=298Kです。

理想気体の状態方程式PV=nRTより、各タンク内に含まれる気体の分子量はn=PV/RTを計算すれば求まります。バルブを開けた後は、各タンクの分子量を合計した値となります。

  • タンク1の気体の分子量n1:1×106×100/(R×298)
  • タンク2の気体の分子量n2:100×106×5/(R×298)

理想気体の状態方程式より、バルブを開けた後の圧力Pは(n1+n2)RT/Vで計算できます。計算量が複雑に見えますが、MPaへの変換のために106は計算せず残しておくことが可能で、(R×298)は約分して消せます。

P=nRT/V={1×106×100/(R×298)+100×106×5/(R×298)}×R×298 / 105 = 600/105 MPa = 5.7 MPa

2024年3月11日 広告

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