令和4年度 問3

カルボニル縮合反応に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。(Rはアルキル基、Phはフェニル基を意味する。)

①次のアルドール反応によりβ-ヒドロキシアルデヒドが生成する。

②次のClaisen縮合によりβ-ケトエステルが生成する。

③次の混合アルドール反応では複数の生成物からなる混合物を与える。

④カルボニル基の求核試薬に対する反応性は次のとおりである。

⑤次の混合アルドール反応では混合物ではなく、単一の生成物を与える。

解答解説

正答は4番です。

4番の反応性の順番は逆です。酸塩化物や無水酸は反応性が高いことで有名です。対してアミドは電子供与性が強く、反応性が低くなります。

3番の混合アルドール反応では、どちらのアルデヒドもエノラートの候補として使えるため4種類の生成物が考えられます。

5番のベンズアルデヒドはα水素を持たないことからエノラートになり得ません。メチルシクロヘキサノンのみがエノラートを形成してベンズアルデヒドに付加することができます。このため、反応は選択的に進行し、単一の生成物が得られます。エノラートがカルボニル炭素を攻撃するには、メチルシクロヘキサノンは立体障害が大きく、メチルシクロヘキサノン同士でのアルドール反応は起こりにくくなっています。

参考資料

炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (1) | Chem-Station (ケムステ)
炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (1)

www.chem-station.com

クライゼン縮合 Claisen Condensation | Chem-Station (ケムステ)
クライゼン縮合 Claisen Condensation

www.chem-station.com

2024年3月11日 広告

//