気体の状態方程式に関する次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
理想気体の圧力-容積-温度(PVT)関係は PVm=RT で表せる。(P:圧力、Vm:気体のモル体積、R:気体定数、T:絶対温度)これに対し、実在気体のPVT関係は圧縮因子Zを導入して PVm=ZRT で表せる。一般に高圧では【 A 】であり、中間的な圧力ではほとんど【 B 】、非常に低い圧力ではZ≃1をとる。
この実在気体の挙動を式でしたものがファンデルワールスの状態方程式
$$ \left(P+\frac{a}{V_m^{2}}\right)\left(V_{m}-b\right)=RT$$
である。aとbがファンデルワールスパラメーターであり、aは分子間の【 C 】相互作用の強さを、bは【 D 】相互作用の強さを表している。これらの値は各気体の【 E 】から求めることができる。
選択肢 | A | B | C | D | E |
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1 | Z > 1 | Z < 1 | 反発力 | 引力 | 三重点 |
2 | Z > 1 | Z < 1 | 引力 | 反発力 | 臨界定数 |
3 | Z < 1 | Z > 1 | 反発力 | 引力 | 臨界定数 |
4 | Z < 1 | Z > 1 | 引力 | 反発力 | 三重点 |
5 | Z > 1 | Z < 1 | 反発力 | 引力 | 臨界定数 |
解答解説
正答は2番です。
理想気体は分子のサイズや相互作用を無視した気体です。これら要素を考慮した気体を実在気体と呼びます。Zは実在気体が理想気体からどれだけ逸脱しているかを示す指標です。
一般的に、高圧では実在気体の体積は理想気体よりも大きくなります。これは分子の体積が無視できなくなるためです。したがって、Z = PVm/RT > 1 となります。
ファンデルワールスの状態方程式において、aは分子間の引力を表し、bは分子の体積に関連する反発力を表します。
ファンデルワールスパラメーターaとbは、気体の臨界定数(臨界温度、臨界圧力、臨界体積)から求めることができます。
参考資料
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Z-P曲線とファンデルワールスの式
www.sidaiigakubu.com