半導体に関する次のA~Eの記述のうち、不適切なものの組合せはどれか。
- シリコンやゲルマニウムの結晶はダイヤモンド型構造を持つ。
- ガリウムヒ素は化合物半導体と呼ばれ、閃亜鉛鉱型構造を持つ。
- 純粋なゲルマニウムの電気伝導率は温度が増すと低下する。
- 真性半導体を加熱すると、熱励起によって生成する自由電子と正孔の数は等しい。
- シリコンに微量のリンを添加するとp型半導体となる。
選択肢
- A、C
- A、D
- B、D
- B、E
- C、E
解答解説
正答は5番です。
ガリウムヒ素は化合物半導体と呼ばれ、閃亜鉛鉱型構造を持ちます(B)。その他に窒化ホウ素やヒ化ホウ素があります。ウルツ鉱型であるのは酸化亜鉛、窒化ガリウムなどです。
ケイ素に微量のリンやヒ素、アンチモンのような最外核電子が5個の原子を添加するとn型半導体となります(E)。対してホウ素やアルミニウム、ガリウムのような最外核電子が3個の原子を添加するとp型半導体となります。
またゲルマニウム、シリコンのような純粋な元素や化合物の結晶による半導体を真性半導体と言います。真性半導体は熱振動により自由に移動電子が増えることから、通常の導体と異なり温度が高いほど電気抵抗が小さくなります(C)。電子が抜けた部分が正孔となるため、生成する自由電子と正孔の数は等しくなります(D)。
参考資料
-
SiやGeなどの半導体
www.phys.kindai.ac.jp
-
閃亜鉛鉱型構造とウルツ鉱型構造:半導体を支える結晶構造
solid-mater.com
-
第13章 物質の性質と現代的素材
ocw.hokudai.ac.jp