令和元年度 問28

 二酸化炭素の吸収分離に関する次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

 化学吸収法は、二酸化炭素を反応吸収する【 A 】などの【 B 】の溶液を用いて、二酸化炭素を分離・回収する手法である。吸収した溶液を【 C 】して二酸化炭素を分離する。
 物理吸収法は、【 D 】で【 E 】やポリエチレングリコール等の吸収液に二酸化炭素を物理的に吸収させ、分離・回収する手法である。

選択肢ABCDE
1メタノール中性加熱常圧モノエタノールアミン
2モノエタノールアミンアルカリ性加熱高圧メタノール
3モノエタノールアミンアルカリ性減圧高圧K2CO3水溶液
4K2CO3水溶液弱アルカリ性減圧常圧エタノール
5メタノール中性減圧高温エタノール

解答解説

正答は2番です。

化学吸収法において、二酸化炭素は弱酸性を示すためアルカリ性であるアミン類で化学吸収して分離します。中でもモノエタノールアミンはCO2との反応性が高く、質量当たりの CO2吸収量が多い特徴があります。吸収したアミンのCO2溶液は加熱することでCO2の脱離反応が進むことから、CO2の分離回収が可能です。

物理吸収法ではメタノールやポリエチレングリコールなどの溶液に高圧・低温で物理吸着します。溶媒に溶ける気体の物質量が圧力に比例するヘンリーの法則を活用しています。加熱することでCO2の分離回収が可能です。

参考資料

二酸化炭素 (carbon dioxide) | Chem-Station (ケムステ)
二酸化炭素 (carbon dioxide)

www.chem-station.com

https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalofmmij/135/1/135_1/_pdf
超音波と塩化カルシウムを用いた モノエタノールアミン溶液からの二酸化炭素の脱離

www.jstage.jst.go.jp

https://www.nikko-research.co.jp/wp-content/uploads/2022/04/rc202204_0002.pdf
主要なCO2の分離・回収コストとコスト的課題

www.nikko-research.co.jp

ヘンリーの法則まとめ(公式・体積・問題) | 理系ラボ
ヘンリーの法則まとめ(公式・体積・問題)

rikeilabo.com

2024年3月10日 広告

//