令和元年度 問19

次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

 下図は時間 t0 における十分に分子量が大きい非晶性高分子固体の引張緩和弾性率E(t0)の温度依存性の模式図である。【 ア 】では高分子鎖のミクロブラウン運動は凍結し、弾性率は1~数GPaの値となる。温度が上昇すると凍結されていた分子のミクロブラウン運動が開始し、【 イ 】へと到達する。【 ア 】から【 イ 】への変化が【 ウ 】である。さらに温度が上昇すると弾性率が数MPa程度で、温度に依存しない【 エ 】となる。さらに温度が上昇すると高分子鎖の絡み合いがほぐれ、分子鎖が激しく運動し、弾性率も低下する【 オ 】となる。

図. 非晶性高分子固体の引張緩和弾性率の温度依存性の模式図
選択肢
1ガラス状態領域転移領域融解ゴム状平坦領域流動領域
2ガラス状態領域流動領域ガラス転移ゴム状平坦領域転移領域
3ガラス状態領域転移領域ガラス転移ゴム状平坦領域流動領域
4ゴム状平坦領域転移領域ガラス転移ガラス状態領域流動領域
5ゴム状平坦領域流動領域融解ガラス状態領域転移領域

解答解説

正答は3番です。

問題に表示されたグラフは材料の粘弾性の温度依存性を評価したものです。

温度が低い領域はガラス状態領域となり高分子鎖の運動が制限されています(ア)。

更に温度を上げるとガラス転移領域を経由(イ)してゴム領域(ゴム状平坦領域)へ移ります(エ)。これをガラス転移と呼びます(ウ)。

ゴム領域よりも温度を上げていくと流動領域となり分子鎖が激しく運動するようになります(オ)。

参考資料

温度依存性測定:レオロジー・粘弾性:化学物質評価研究【CERI】
粘弾性 温度依存性測定

www.cerij.or.jp

2024年3月10日 広告

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