次の高分子合成に関する反応式において、正しいものの組み合わせとして、最も適切なものはどれか。ただし、脱離成分と鎖末端の化学構造式は省略してある。
- AとB
- AとE
- BとC
- CとD
- DとE
解答解説
正答は5番です。
Aはポリアミドである66ナイロン(ナイロン66)の反応式です。ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸で脱水してアミド結合を形成して重合します。合成後の構造はアミン側が(CH2)6、カルボン酸側が(CH2)4となります。ちなみに66ナイロンの66はアミン側とカルボン酸側の炭素数を表します。
Bはポリエステルの反応式です。テレフタル酸とブタンジオールが脱水してエステル結合を形成して重合します。問題では合成後の繰り返し構造がO-O-C-C(=O)となっておりエステルとなっていません。ちなみにテレフタル酸とエチレングリコールを反応させるとポリエチレンテレフタレート(PET)が合成できます。
Cはポリイミドの反応式です。イミド結合は-C(=O)-N-C(=O)-を表します。問題ではピロメリット酸無水物と4,4'-ジアミノジフェニルエーテルが開環付加してアミド結合を形成した後、脱水して環状イミドを形成します。合成後のフェニルエーテル側の一番右端のN-H結合は不要ですので誤りです。
Dはポリウレタンの反応式です。ウレタン結合は-NH-C(=O)-O-を表します。ジイソシアネートとジオールが付加反応して重合します。
Eはポリアミドである6ナイロン(ナイロン6)の反応式です。環状アミドであるε-カプロラクタムの開環重合で合成されます。66ナイロンと異なりカルボン酸を用いていないため6ナイロンという名称になっています。
参考資料
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5分でわかる!ナイロン66
www.try-it.jp
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ポリエステル系合成繊維
www.try-it.jp
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重縮合 - ポリイミド
www.djklab.com
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3分でわかる技術の超キホン ポリウレタンの基礎知識 (合成,用途,原料など)
engineer-education.com
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5分でわかる!ナイロン6
www.try-it.jp