キラル中心における分子の立体配置を表示する際にCahn-Ingold-Prelog則に基づく優先順位が用いられる。下記に示した各組の置換基が、優先順位通り正しい順番になっているものはどれか(優先順位は左側ほど高い)。
- -F、-Cl、-Br、-I
- -C6H5(フェニル基)、-C≡CH、-C(CH3)3、-CH=CH2
- -CO2CH3、-CH2OCH3、-COCH3、-CH2CH3
- -SO2-CH3、-SO3H、-SH、-SCH3
- -CN、-Br、-CH2Br、-CH2CH2Br
解答解説
正答は2番です。
カーン・インゴールド・プレローグ則から、それぞれのキラル中心に結合した置換基の順位を示します。対象の原子に結合した置換基の原子番号が大きいほど順位が大きくなります。
1番はI> Br > Cl > Fです。原子番号が大きいほど優先順位が高くなるため全く逆です。
2番は多重結合が多く考えづらいですが、例えば-CH=CH2の場合、-CH(C)-CH2(C)という化合物として扱います。-C≡CHの場合、-C(C)2-CH(C)2という化合物として扱います。
3番はCO2CH3> COCH3 > CH2OCH3 > CH2CH3です。C=O結合はC(-O)2とみなしてO原子が2つ結合しているものとして考えます。そのためエステル>ケトン>エーテル>アルキルという順位になります。
4番はSO3H> SO2-CH3 > SCH3 > SHです。3番と同様にS原子にO原子が多く結合している化合物の順位が高くなります。
5番はBr> CH2Br > CN > CH2CH2Brです。原子番号の大きな臭素の優先順位が一番高くなります。
一番順位が低い置換基を画面の奥に配置したとして、残り3つの置換基の順位が時計回りに下がっていくものがR配置、反時計回りに下がっていくものがS配置です。
参考資料
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RとSの決め方がわからないとき【カーンインゴールドプレローグ則】
kyoyobanana.blogspot.com