令和元年度(再試験) 問22

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ペロブスカイト型構造とその関連物質に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ペロブスカイトはチタン石(CaTiO3)として天然に産出する。
  2. ペロブスカイトの結晶構造では、Ca2+とO2-が立方最密充填構造を形成し、Ca2+が頂点位置を、O2-が面心位置をそれぞれ占め、その体心位置にTi4+が配置されている。
  3. ペロブスカイト型構造を持つ化合物は立方晶とは限らずに、正方晶、斜方晶、菱面体晶などの歪んだものも多い。
  4. BaTiO3等のペロブスカイト型構造を持つ物質の多くは、強誘電体であると同時に、圧電性、焦電性などを示し、電子材料として重要である。
  5. Pb(Zr, Ti)O3はPbTiO3のTi4+の位置が規則的にZr4+に置換された結晶である。



解答解説

正答は5番です。

Pb(Zr, Ti)O3はPbTiO3のTi4+の位置が不規則にZr4+に置換された結晶です。

チタン酸カルシウム(CaTiO3)はペロブスカイトという名の鉱物です。チタン石とも呼ばれます(1番)。このペロブスカイト構造という結晶構造はこの鉱物が由来です。Ca2+とO2-が立方最密充填構造を形成し、Ca2+が頂点位置を、O2-が面心位置をそれぞれ占め、その体心位置にTi4+が配置されています(2番)。CaTiO3は、正式には理想的なペロブスカイト型構造から少し歪んだ構造をしており立方晶ではなく直方晶に属します(3番)。

ペロブスカイト型金属酸化物は、強誘電性、誘電性、焦電性、圧電性など様々な電気的特性を示します(4番)。

参考資料

https://u.muroran-it.ac.jp/hydrogen/lec/Ceram03PPT.pdf
配位数と結晶構造|セラミックス材料学2019

u.muroran-it.ac.jp

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2024年3月10日