ジェット燃料油(航空タービン燃料油)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- ジェット燃料油は、ガソリンあるいは灯油のような留分で、特別な場合を除いては直留製品から作られている。
- ジェット燃料油は灯油型とガソリン型があるが、民間用は安全性の高い灯油型が使われている。
- -40℃といった低温の成層圏を飛ぶ際、ワックス分が析出してフィルターが閉塞しないように、析出点が決められている。
- ジェット燃料油は温度上昇時にタール分が生成しない熱安定性が求められる。また、熱安定性向上のため、アルキルフェノール等の酸化防止剤が添加されている。
- 燃焼時の輝度が高いと輻射熱によりエンジン内面が損傷を受けるので、煙点が25以下に規定されている。
解答解説
正答は5番です。
燃焼時の輝度が高いと輻射熱によりエンジン内面が熱損傷を受けますが具体的な数値(煙点25以下)は規定されていません。
ジェット燃料はJIS K 2209で大きく広沸点範囲ガソリン型、高引火点灯油型、低析出点灯油型の3種類に分類されます。民間用は安全性の高い灯油型が使われています。析出点が定められているのでは高空での運行時に-40℃といった低温まで低下するためです。
熱応力を受けたジェット燃料が酸化堆積物を形成するのを抑制させるためにアルキルフェノールが添加されます。
参考資料
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第3節 ジェット燃料
www.eneos.co.jp
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Identification and Quantitation of Alkylphenols in Jet a by Using Preparative High-Performance Liquid Chromatography and Comprehensive Two-Dimensional Gas Chromatography with Electron Ionization High-Resolution Time-of-Flight Mass Spectrometry
papers.ssrn.com
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ジェット燃料の製造
www.gtsj.or.jp