アルコールの酸化反応に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 第一級アルコールをpyridinium chlorochromate(PCC)により酸化するとカルボン酸ではなく、アルデヒドで反応を止めることができる。
- 第三級アルコールは通常、ほとんどの酸化剤と反応しない。
- 第二級アルコールは容易に酸化されてケトンを与える。大規模の酸化には希酢酸中のNa2Cr2O7のような安価な試薬が用いられる。
- 実験室で第一級アルコールからアルデヒドを合成するのに最近よく用いられるのは6価のヨウ素(VI)を含むDess-Martinペルヨージナンをジクロロメタン中で用いるものである。
- 酸性溶液中の三酸化クロムCrO3を使って第一級アルコールを酸化すると最終生成物としてカルボン酸が生成する。
解答解説
正答は4番です。
Dess-Martinペルヨージナン(DMP)は温和な酸化剤であり、第一級アルコールをアルデヒドに酸化するのによく用いられますが、これは6価のヨウ素ではなく、5価のヨウ素を含む化合物です。
1番はPCCから生成する三酸化クロムが酸化剤として機能しています。
2番について、第一級アルコールはアルデヒドやカルボン酸に、第二級アルコールはケトンに酸化します。
5番の三酸化クロムは無水クロム酸とも呼ばれ、強力な酸化剤です。そのためアルコールからアルデヒドで止められずカルボン酸に酸化されます。
参考資料
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アルコールからアルデヒドへの酸化反応
dropchem.com
-
アルコール・エーテルの反応
www1.meijo-u.ac.jp
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デス・マーチン酸化 Dess-Martin Oxidation
www.chem-station.com