石炭に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、数値は2014年度統計によるものとする。
- 我が国の一次エネルギー国内供給に占める石炭の割合は約25%である。
- 我が国の石炭需要は、火力発電用が最も多く、次いで製鉄用で、この両者で全需要の約81%を占めている。
- 我が国の発受電電力量を電源別に見ると、石炭火力発電が約31%を占めている。
- 鉄鉱石を精練して鉄に変える高炉では、粘結性が高い瀝青炭から作られたコークスを大量に使用している。
- 褐炭は、瀝青炎に比べて石炭化が進んでいないため、着火点は瀝青炎よりも高い。
解答解説
正答は5番です。
石炭は、炭素の濃集度合(石炭化度)と用途により分類されています。石炭化度が高い、つまり高品質な順に無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炎、褐炭と分類されます。石炭化が進んでいない石炭の着火点は低くなります。
粘結性とは、石炭が加熱されたときに軟化・溶融し、再び固化して強固なコークスを形成する性質のことを指します。この特性により、高炉内で鉄鉱石を還元するために必要な強度と反応性を持つコークスが生産されます。原料炭は瀝青炭の中で粘結性が高い石炭です。
参考資料
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石炭の分類について
coal.jogmec.go.jp
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石炭生産国・消費国の現況
coal.jogmec.go.jp
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主要国の一次エネルギー構成
www.ene100.jp
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化石エネルギーの動向
www.enecho.meti.go.jp