60℃の硫酸銅飽和水溶液100 gを20℃まで冷却し放置したところCuSO4・5H2Oの結晶が析出した。析出したCuSO4・5H2Oの結晶量として、最も適切な値はどれか。
なお、無水硫酸銅の溶解度は60℃で30 g、20℃で20 gとする。ここでの溶解度とは100 gの水に溶解する溶質の質量[g]とする。
ただし、各原子量は、H=1、O=16、Cu=64、S=32とする。
- 22 g
- 18 g
- 14 g
- 10 g
- 6 g
解答解説
正答は3番です。
この問題の特徴は、硫酸銅が析出するときに水和物として溶媒も一緒に析出することです。通常の溶質だけ析出する場合と異なり、溶媒の量も減少しながら析出します。
析出した硫酸銅五水和物(CuSO4・5H2O)をx[g]とします。大きくは以下の手順です。
- 析出後の後の溶液の量をxの式で表す
- 現在溶けている溶質の量を求める
- 析出後の後の溶質の量をxの式で表す
- 溶質と溶液の比の形で溶解度と等式を立てる
CuSO4の分子量は160、CuSO4・5H2Oは250、水は18です。
まず溶液の量を求めます。20℃において、析出により溶液の量は100-xに減少します。
次に溶質の量を求めます。60℃では100 gの水に30 gの硫酸銅が溶解するため、130 gの溶液に30 gの溶質が溶けていることを意味します。つまり100 gの溶液では100/130×30=23.07 gの溶質が溶けています。析出した硫酸銅五水和物のうち硫酸銅の割合は分子量から160/250です。20℃において、析出により溶質の量は23.07-x(160/250)に減少します。
20℃における溶解度は20 gであるため、溶質と溶液の比を用いると20/120={23.07-x(160/250)}/(100-x)の等式が成り立ちます。これを計算すると析出した硫酸銅五水和物の量xは14.64 gです。つまり最も近い値は14 gです。