カルボニル基に対するHCNの付加は可逆反応である。芳香族アルデヒドにHCNが 付加してシアノヒドリン類が生成する反応 a) ~ c) を平衡定数(K)の大きい順に並べ たものはどれか。ただし、平衡定数(K)は、一定の条件(20℃、96%エタノール中)のもので、K= [シアノヒドリン]/[芳香族アルデヒド][HCN] とする。
- a-b-c
- a-c-b
- b-c-a
- b-a-c
- c-b-a
解答解説
正答は2番です。
化合物はベンズアルデヒド(a)にジメチルアミノ基が付加したもの(b)とメチル基が付加したもの(c)の3種類です。それぞれの置換基が反応性に及ぼす影響、つまり電子供与・吸引能力を考えます。
シアノヒドリン合成の反応は、シアン化物イオン(CN-)がアルデヒドのδ+性を帯びた炭素原子へ攻撃することで進みます。つまりベンズアルデヒドに結合した置換基が、アルデヒドの炭素原子にある電子を吸引しδ+性を強くする置換基であるほど反応性は上がります。今回の場合、ジメチルアミノ基 > メチル基 > 無置換の順で吸引性が高くなります。
参考資料
-
シアノヒドリンは増炭反応や極性転換に使える有用中間体
www.tora-organic.com