化学反応に関する次の(A)~(E)の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
- Diels-Alder反応は典型的な[4+2]環化付加反応である。
- 1-ブロモ-2-フェニルエタンの塩基によるE2反応は、炭素-臭素結合の自発的開裂から始まる。
- アルドール反応は塩基触媒存在下の反応が一般的であるが、酸触媒でも進行する。
- 一般にキラルなハロゲン化アルキルを基質とするSN2反応は、第三級ハロゲン化アルキルよりも第二級のほうが進行しやすく、ラセミ体の生成物を与える。
- Michael付加反応の基質は、α, β-不飽利カルボニル化合物である。
- A、B
- A、C
- B、D
- C、D
- A、E
解答解説
正答は3番です。
AのDiels-Alder反応は4つのπ電子を持つジエンと2つのπ電子を持つジエノフィルの間で起こる[4+2]環化付加反応の代表例です。
BのE2反応は炭素-臭素結合の開裂と同時に塩基による水素の引き抜きが起こります。自発的な炭素-臭素結合の開裂から始まるわけではありません。
Cのアルドール反応は通常塩基触媒で行われますが、酸触媒でも進行することが可能です。塩基触媒の場合はカルボニルのα炭素に結合した水素を引き抜きます。対して酸触媒の場合はカルボニル基の酸素原子にプロトンが付加してオキソニウムイオンを生成します。
DのSN2反応は第三級よりも第二級ハロゲン化アルキルの方が進行しやすいですが、立体反転を伴うため、ラセミ体ではなく光学活性体を与えます。SN1反応の場合はラセミ体に近い割合の生成物が得られます。
EのMichael付加反応は、α, β-不飽和カルボニル化合物(Michael受容体)に求核剤が付加する反応です。
参考資料
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ディールス・アルダー反応 Diels-Alder Reaction
www.chem-station.com
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脱離反応(E1反応とE2反応)
www.chem.s.u-tokyo.ac.jp
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アルドール反応
www.tcichemicals.com
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求核置換反応(SN2反応とSN1反応)
www.chem.s.u-tokyo.ac.jp
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マイケル付加 Michael Addition
www.chem-station.com