平成24年度 問34

 圧縮空気供給装置の付属設備として図に示す容量V m3のバッファータンクがある。この圧縮空気供給装置は、バッファータンクに2 m3 min-1(標準状態)の空気を293 K、0.9 MPaで連続供給することができる。この圧縮空気を4 m3 min-1(標準状態)で5分間使用した場合、使用終了時にはタンク内の圧力が0.9 MPaから0.7 MPaまで低下する。本設備のバッファータンクの容量Vとして最も近い値はどれか。
 ただし、バッファータンク内の温度は293 K一定とし、標準状態とは温度273 K、1.013×105 Paである。また、空気は理想気体とし、状態方程式PV=nRTに従うものとする。なお、Pは圧力、Vは体積、nはモル数、Tは絶対温度を示す。気体定数Rは8.314 J mol-1K-1=8.314×10-3 m3 MPa kmol-1 K-1とする。

  1. 5.5 m3
  2. 6 m3
  3. 6.5 m3
  4. 7 m3
  5. 7.5 m3

解答解説

正答は1番です。

5分間で供給した空気量は2 × 5=10 m3(標準状態)、使用空気量は4 × 5=20 m3(標準状態)です。気体定数の単位に気を付けて各モル数を求めます。

供給空気量:n=PV/RT=(1.013×105 × 10) / (8.314×10-3×106 × 273)=446 mol
使用空気量:n=PV/RT=(1.013×105 × 20) / (8.314×10-3×106 × 273)=892 mol

よってタンク内で減少した空気のモル数は892-446=446 molです。

気体定数R、タンクの体積Vは一定、タンク内の温度は問題文より293Kで一定であることから、物質量nと圧力Pは比例関係にあることが分かります。
P/n=RT/V=一定

初期状態(添え字1)と最終状態(添え字2)でP/nの値を比較します。また初期状態と最終状態との物質量差をΔnとします。
P1/n1=P2/n2
0.9/n1=0.7/(n1-Δn)
0.9/n1=0.7/(n1-446)
n1=2.007 kmol

初期状態の値を使ってバッファータンクの体積を求めます。
V=nRT/P=(2.007 × 8.314×10-3 × 293) / 0.9=5.43 m3

よって最も近い値は5.5 m3です。

2024年3月10日 広告

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