3成分(A、B、C)の液液平衡関係を表すのに、下図のような二等辺直角三角図を用いた。図中、頂点A、B、Cは各純成分を表し、辺AB、BC上の目盛は質量分率である。次の記述のうち誤っているものはどれか。
- 点Fで表される液は、成分AとBの2成分から成っている。
- 点Fで表される液に成分Cを加えていったときの液の組成は、常に線分CF上にある。
- 組成が線分CF上にあるとき、成分AとBの質量比は常に等しい。
- 点Mで示される液を静置したとき、点Eと点Rで表される2液層に分かれたとすると、(Eの質量):(Rの質量)=1:2となる。
- 点Mで表される液において、成分Cの質量分率は0.3である。
解答解説
正答は4番です。
三角図は抽出においてよく使用されます。抽出対象の溶質を抽質、抽質を溶かしている溶媒を希釈剤と呼びます。希釈剤に溶かした抽質を、より抽質の溶解度が大きな抽剤で取り出します。今回ではAが抽質、Bが希釈剤、Cが抽剤です。
縦軸のメモリは成分Aの質量分率、横軸のメモリは成分Cの質量分率を表します。残りの成分Bについては、全体の質量分率1から各成分の値を引くことで得られます。
1番の点Fは成分Cの質量分率が0であることを表します。つまり成分AとBのみです。
2番および3番の点Fの状態は成分Cが無い状態です。そこから成分Cを加えていくため、成分Cの比率増加に伴って同じ比率で成分ABは減少していきます。成分Cを加えるだけですので成分ABの比率は変化しません。
4番のRが希釈剤側、Eが抽剤側です。それぞれの質量比E:Rは、てこの原理よりRM:MEで表せます。E:R=RM:ME=0.2:0.1=2:1となります。