発電容量が5,000 kWで、圧力1.6 MPaの水蒸気を毎時10 ton発生するコジェネレーション発電装置がある。この装置は総発熱量(高位発熱量)10,700 kcal/Nm3の都市ガスを燃料として用い、供給ボイラー水を20 ℃で供給する。1時間当たりに必要な都市ガスの量[Nm3]はおおよそいくらか。ただし、総合熱効率は73%である。また、20℃の水及び圧力1.6 MPaの水蒸気のエンタルピーはそれぞれ20 kcal/kg、667 kcal/kgとする。1 kW=860 kcal/hである。
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- 830
- 1,010
- 1,380
- 33,000
解答解説
正答は4番です。
供給する都市ガスの量をx[Nm3/h]とします。1時間当たりの発熱量は10,700x[kcal/h]となります。
コジェネレーション発電装置では、蒸気の生成と発電の2つ用途でエネルギーを必要とします。
まず水蒸気発生に必要な熱量を考えます。20℃の水から1.6 MPaの水蒸気へと変換するため、それぞれのエンタルピーの差667-20=647 kcal/kgが必要となる熱量です。水蒸気を毎時10 ton(10,000 kg)発生するため、647 kcal/kg × 10,000 kg=6.47×106 kcal/hとなります。
次に発電に必要な熱量を考えます。発電量は5,000 kWであることから、5,000 kW × 860 kcal/kW・h=4.3×106 kcal/hとなります。よって、必要な熱量は6.47×106+4.3×106=10.77×106 kcal/hです。
この熱量を得るために必要な都市ガスの発熱量は10.77×106 kcal/h=10,700x[kcal/h]と立式できるため、x=1,006.5 Nm3/hです。総合熱効率は73%であるため理論値よりも多くの都市ガスが必要で、1006.5 / 0.73=1,379 Nm3/hです。よって最も近い値は1,380 Nm3/hです。