平成30年度 問15

次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

 エチレンを高圧下でラジカル重合すると連鎖移動を起こし、長鎖分岐構造を有する【 A 】ポリエチレンが得られる。これは包装用シートやゴミ袋などフィルムとしての使用が多い。一方、TiCl4とAlEt3からなる固体触媒(チーグラー触媒)を用いると、常温常圧下でエチレンの重合が進行し、【 B 】ポリエチレンが生成する。これは分岐構造をほとんど含まない直鎖状の構造を持っているため【 C 】が高く、耐熱性や耐薬品性、絶縁性が高いなどの特徴を持っている。また、チーグラー触媒によりエチレンと1-ブテンや1-ヘキセンなどのα-オレフィンとの共重合を行うと、短い分岐鎖を持つ【 D 】ポリエチレンが得られる。これは柔軟性と強靭性を合わせ持つためフィルム、チューブ、ホースなどに用いられている。さらに、粘度平均分子量が100万~600万の【 E 】ポリエチレンも合成されており、高強度で高弾性率を示す繊維が得られることから、ロープやケーブルなどへ応用されている。

選択肢ABCDE
1低密度線状高密度非晶性線状低密度超粘性
2低密度高密度結晶性直鎖状低密度超高分子量
3高圧法低圧法結晶化度分岐性低密度大分子量
4高密度中圧法結晶性直鎖状低密度高分子量
5高密度高密度融点低分岐超高分子量

解答解説

正答は2番です。

低密度ポリエチレンLDPEは、密度が0.91以上0.93未満のポリエチレンです。高圧法で重合します。対して高密度ポリエチレンHDPEは密度が0.94以上で、中圧法もしくは低圧法で重合します。

高密度ポリエチレンの重合に使われるチーグラー触媒は塩化チタンと有機アルミニウム化合物からなる触媒です。また酸化クロム系触媒はフィリップス触媒と呼ばれます。

参考資料

LDPEとHDPEの違いとは?素材の特徴や用途を徹底解説!|オリジナル印刷・製作の清水化学工業のお役立ち情報
LDPE・HDPEの違いとは?

www.shimizu-chem.co.jp

https://cmaj.jp/check/?privfile=47-50-48-49-57-47-48-51-47-50-48-46-112-100-102&catfile=all
高分子重合用触媒

cmaj.jp

2024年3月10日 広告

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