平成27年度 問15

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ビニルモノマーのイオン重合に関する次の記述の、【 】に入る語句の組合せとして最も適切なものはどれか。

 置換基として【 ア 】基を持つビニルモノマーはカチオン重合しやすく、逆に置換基として【 イ 】基を持つビニルモノマーはアニオン重合しやすい。電子求引性基がついているビニルモノマーから得られたポリマーの α 炭素原子上の水素原子の【 ウ 】が高いので、【 エ 】反応などの副反応が起こりやすい。【 イ 】基を2つ持つビニリデン型モノマーは置換基が2つあるためその性質が強く、水のような求核性の【 オ 】開始剤で重合する。

選択肢
1電子供与性電子求引性酸性度停止低い
2電子求引性電子供与性塩基性度停止低い
3電子供与性電子求引性酸性度再結合高い
4電子求引性電子供与性塩基性度再結合高い
5電子供与性電子求引性電子親和力停止低い



解答解説

正答は1番です。

カチオン重合は、正電荷を持つ活性種が関与する重合反応です。電子供与性基は正電荷を安定化させるため、カチオン重合を促進します。反対にアニオン重合は、負電荷を持つ活性種が関与する重合反応であることから電子求引性基が重合を促進します

【 ウ 】~【 オ 】については有機化学におけるカルボキシル基の考え方と同じで、α炭素上の水素原子はδ+性が増すため酸性度が高く、塩基で引き抜きやすくなります。つまり溶媒中のアルコールや水のような不純物と反応しやすくなってしまいます。

参考資料

アニオン重合とカチオン重合の反応を分かりやすく解説!! | 化学の地元
アニオン重合とカチオン重合の反応を分かりやすく解説!!

daigaku-kagaku.com

https://www1.meijo-u.ac.jp/~tnagata/education/ochem2/2021/ochem2_05.pdf
カルボニル化合物のα炭素の反応 (1)

www1.meijo-u.ac.jp

2024年3月10日