セラミックスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 酸化鉄を主体とするフェライトは、永久磁石や電磁波ノイズフィルタに用いられる。
- 圧電体は超音波洗浄機やガスレンジの点火装置に利用される。
- チタン酸バリウムは高い耐熱性を利用してコンデンサに用いられる。
- すべての強誘電体は必ず圧電体であり、また焦電体である。
- 人工的に合成されたルビーはレーザーに用いられる。
解答解説
正答は3番です。
チタン酸バリウムはコンデンサに用いられますが、耐熱性ではなく誘電率の高さによって選ばれています。
1番のフェライトは酸化鉄を主原料に焼き固めて作るセラミック磁性材料です。
2番の圧電体はピエゾとも呼ばれ、圧力をかけると電圧がかかる物質です。水晶(人工水晶)や強誘電性セラミックス(チタン酸バリウムやジルコン酸バリウム)が用いられます。
4番の焦電体は電場や圧力を加えることなしに自発的に分極している物質です。強誘電体は圧電性と焦電性を共に示します。一定以上の温度になると常磁性体に転移し、この転移温度をキュリー温度と呼びます。
5番のルビーレーザーは合成ルビーの蛍光を利用しています。可視光領域の光を発する数少ない固体レーザーで、694.3nmの深い赤色の可視光線を発振します。線幅が0.53nmと狭いことも特徴です。
参考資料
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チタン酸バリウム(BaTiO3):驚異のチタバリと呼ばれた誘電体
solid-mater.com
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フェライト
www.jmc.co.jp
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圧電(ピエゾ)素子とは?圧力をかけるとどうなるの?
www.matsusada.co.jp
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常誘電体、強誘電体、圧電体、焦電体…:様々な誘電体とその特徴
solid-mater.com
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https://www.dinov.jp/?p=948