平成23年度 問29

水素30mol%、一酸化炭素10mol%、メタン40mol%、水蒸気20mol%からなる混合ガスを原料として、毎時200kmolを反応器に供給して以下の反応を行わせる。

CO + 3H2 → CH4 + H2O

反応器出口の一酸化炭素の反応率は0.8であった。この反応器出口のガスを、操作圧力0.1MPaで温度60℃まで冷却して、水蒸気を凝縮分離した。冷却器出口のガスの流量[kmol・h-1]はいくらか。ただし、60℃の水の蒸気圧は、0.02MPaである。

  1. 114
  2. 140
  3. 168
  4. 180
  5. 200

解答解説

正答は2番です。

60℃の水の蒸気圧が0.02MPaであることから、水蒸気は100%凝縮していないことに注意が必要です。

原料を200 kmol/hで流しているため、H2:60 kmol/h、CO:20 kmol/h、CH4:80 kmol/h、H2O:40 kmol/hです。

COの反応率が0.8なので、反応したCOは20 × 0.8 = 16 kmol/h、残りは4 kmol/hです。

同様に計算すると、反応後のガス組成は以下の通りです。
H2:60 - (16 × 3) = 12 kmol/h
CO:20 - 16 = 4 kmol/h
CH4:80 + 16 = 96 kmol/h
H2O:40 + 16 = 56 kmol/h

反応後の全ガス量は12 + 4 + 96 + 56 = 168 kmol/hです。

次に冷却後の水蒸気量を計算します。全圧が0.1MPaで、水の蒸気圧が0.02MPaなので、水蒸気のモル分率は0.02 / 0.1 = 0.2となります。水蒸気以外のガス量12 + 4 + 96 = 112 kmol/hがモル分率0.8に相当します。よって全体のガス量は112 / 0.8 = 140 kmol/hです。

(参考)
全体ガス量140 kmol/hに対し、冷却前の全ガス量が168 kmol/hであるため、28 kmol/hの水蒸気凝縮が行われたことが分かります。発生した水蒸気の50%です。

2024年3月9日 広告

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